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飲料水・水道水検査

水道法第4条に基づく水質基準は水質基準に関する省令(平成15年5月30日厚生労働省令第101号)により定められています。水道水は水質基準に適合するものでなければならず水道法により水道事業体等に検査の義務が課されています。水道事業者は水質基準項目等の検査について水質検査計画 を策定し需要者に情報提供することとなっています。

水質基準項目と基準値(51項目)

 

水質基準項目 単位 基準値
1 一般細菌 個/ml 100以下
2 大腸菌 - 検出されないこと
3 カドミウム及びその化合物 mg/l 0.003以下
4 水銀及びその化合物 mg/l 0.0005以下
5 セレン及びその化合物 mg/l 0.01以下
6 鉛及びその化合物 mg/l 0.01以下
7 ヒ素及びその化合物 mg/l 0.01以下
8 六価クロム化合物 ※1 mg/l 0.02以下
9 亜硝酸態窒素 mg/l 0.04以下
10 シアン化物イオン及び塩化シアン mg/l 0.01以下
11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 mg/l 10以下
12 フッ素及びその化合物 mg/l 0.8以下
13 ホウ素及びその化合物 mg/l 1.0以下
14 四塩化炭素 mg/l 0.002以下
15 1,4-ジオキサン mg/l 0.05以下
16 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン mg/l 0.04以下
17 ジクロロメタン mg/l 0.02以下
18 テトラクロロエチレン mg/l 0.01以下
19 トリクロロエチレン mg/l 0.01以下
20 ベンゼン mg/l 0.01以下
21 塩素酸 mg/l 0.6以下
22 クロロ酢酸 mg/l 0.02以下
23 クロロホルム mg/l 0.06以下
24 ジクロロ酢酸 mg/l 0.03以下
25 ジブロモクロロメタン mg/l 0.1以下
26 臭素酸 mg/l 0.01以下
27 総トリハロメタン mg/l 0.1以下
28 トリクロロ酢酸 mg/l 0.03以下
29 ブロモジクロロメタン mg/l 0.03以下
30 ブロモホルム mg/l 0.09以下
31 ホルムアルデヒド mg/l 0.08以下
32 亜鉛及びその化合物 mg/l 1.0以下
33 アルミニウム及びその化合物 mg/l 0.2以下
34 鉄及びその化合物 mg/l 0.3以下
35 銅及びその化合物 mg/l 1.0以下
36 ナトリウム及びその化合物 mg/l 200以下
37 マンガン及びその化合物 mg/l 0.05以下
38 塩化物イオン mg/l 200以下
39 カルシウム、マグネシウム等(硬度) mg/l 300以下
40 蒸発残留物 mg/l 500以下
41 陰イオン界面活性剤 mg/l 0.2以下
42 ジェオスミン mg/l 0.00001以下
43 2-メチルイソボルネオール mg/l 0.00001以下
44 非イオン界面活性剤 mg/l 0.02以下
45 フェノール類 mg/l 0.005以下
46 有機物(全有機炭素(TOC)の量) mg/l 3以下
47 pH値 - 5.8~8.6
48 - 異常でないこと
49 臭気 - 異常でないこと
50 色度 5以下
51 濁度 2以下

※1 令和2年4月1日より六価クロム化合物の基準値改正(0.05mg/l以下→0.02mg/l以下)

詳細は下記リンクも参照して下さい。 

特定建築物

概要

興行場、百貨店、店舗、事務所、学校等の用に供される建築物で、相当程度の規模を有するものを「特定建築物」と定義し、その特定建築物の所有者、占有者等に対して、「建築物環境衛生管理基準」に従って維持管理をすることを義務づけ、厚生労働大臣の免状を持つ「建築物環境衛生管理技術者」にその維持管理の監督に当たらせるとともに、建築物の環境衛生上の維持管理を行う事業者は都道府県知事の登録を受けることができる、ということを主な内容としています。

 

ヒロエンジニアリング株式会社は建築物水質検査業として東京都知事の登録を受けています。

定義

  1. 建築基準法に定義された建築物であること。
  2. 1つの建築物において、次に掲げる特定用途の1又は2以上に使用される建築物であること。特定用途:興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場、店舗、事務所、学校(研修所を含む。)、旅館
  3. 1つの建築物において、特定用途に使用される延べ面積が、3,000平方メートル以上であること。(ただし、専ら学校教育法第1条に定められている学校(小学校、中学校等)については、8,000平方メートル以上であること。)

水質検査

定期の水質検査については、原則として給水系統別に末端給水栓において行います。高置水槽方式の場合には高置水槽の系統別に末端給水栓において行います。検査結果が不適となった場合は、原因を調査し速やかに適切な措置を講じます。改善後は、再度水質検査を行い安全を確認してから使用します。貯湯槽(ストレージタンク等)の清掃は1年以内ごとに1回行います。定期の水質検査についても、飲料水と同様の頻度で、貯湯槽等の系統別に末端給湯栓において行います。

 

水道水のみを使用するビルの場合​

検査項目 検査頻度
省略不可項目(11項目) 一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)、pH値、味、臭気、色度、濁度 6ヶ月以内ごとに1回定期的に実施。
重金属及び蒸発残留物5項目 鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物、蒸発残留物 6ヶ月以内ごとに1回定期的に実施。ただし検査結果が基準に適合した場合は次回に限り省略可能。
消毒副生成物(12項目) シアン化物イオン及び塩化シアン、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、総トリハロメタン(クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総和)、トリクロロ酢酸、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、ホルムアルデヒド、塩素酸 毎年6月1日から9月30日までの間に1回実施。

 

地下水などを使用するビルの場合

検査項目 検査頻度
省略不可項目(11項目) 一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)、pH値、味、臭気、色度、濁度 6ヶ月以内ごとに1回定期的に実施。
重金属及び蒸発残留物5項目 鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物、蒸発残留物 6ヶ月以内ごとに1回定期的に実施。ただし検査結果が基準に適合した場合は次回に限り省略可能。
消毒副生成物(12項目) シアン化物イオン及び塩化シアン、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、総トリハロメタン(クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総和)、トリクロロ酢酸、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、ホルムアルデヒド、塩素酸 毎年6月1日から9月30日までの間に1回実施。
有機化学物質等(7項目) 四塩化炭素、シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン、フェノール類 3年以内ごとに1回定期的に実施。
全項目(51項目) 水道法に基づく水質基準(省略不可項目などを含む全51項目) 竣工後、給水設備の使用開始前に1回実施。

残留塩素

残留塩素は、DPD法(又は、同等以上の性能をもつ測定器)により測定を行います。

 

残留塩素濃度の基準

項目 基準値 備考
平常時 緊急時
遊離残留塩素濃度 0.1mg/l以上 0.2mg/l以上

・給水栓末端で毎日測定する。

・給水系統が複数あるときは各系統の末端で測定する。

・遊離残留塩素濃度が0.1mg/l未満の場合は結合残留塩素を測定し、基準に適合するか否かを確認する。

結合残留塩素濃度 0.4mg/l以上 1.5mg/l以上

 

中央式給湯設備の残留塩素等の測定は、7日以内ごとに1回、給湯水系統別に末端給湯栓において行います。ただし、残留塩素の測定については、給湯設備の維持管理が適切に行われており、末端の給水栓の水温が55℃以上に保持されている場合、給湯温度の測定に代替えすることができます。この場合、残留塩素濃度に代えて、末端給湯栓で測定した水温を記録します。

雑用水の管理

上水以外の再生処理水、工水、井水や雨水等を原水とする雑用水を利用する場合は、 以下の管理を行います(自動給水、手動給水の別はありません)。

 

雑用水の管理

項目 基準 散水、修景又は清掃の用に供する雑用水 水洗便所の用に供する雑用水
pH値 5.8~8.6 7日以内ごとに1回 7日以内ごとに1回
臭気 異常でないこと
外観 ほとんど無色透明であること
遊離残留塩素 0.1mg/l以上であること(結合残留塩素は0.4mg/l以上)
大腸菌 検出されないこと 2月以内ごとに1回 2月以内ごとに1回
濁度 2度以下であること ---

 

詳細は下記リンクも参照して下さい。 

専用水道

概要

専用水道により供給される水は、水質基準に適合しなければなりません。専用水道の設置者は、水質検査を実施し、水が水質基準に適合しているかを確認することが水道法第20条により定められています。

 

  1. 定期及び臨時の水質検査を行う
  2. 行った水質検査の記録は、水質検査を行った日から起算して5年間保有する
  3. 水質検査を行うための検査施設を設置する(ただし地方公共団体の機関または厚生労働大臣の定めた登録水質検査機関に委託する場合は除く)
    また、専用水道の設置者は毎事業年度の開始前に水質検査計画を策定しなければいけません。


ヒロエンジニアリング株式会社は厚生労働省の定めた登録水質検査機関です。

定義

  1. 居住人口101人以上又はその水道施設の1日の最大給水量が政令で定める基準を超えるもの
  2. 口径25mm以上の導管の全長1500メートルを超える
  3. 水槽の有効容量の合計100m³以上

水質検査

  1. 毎日検査
    色及び濁りならびに残留塩素(消毒の残留効果)について1日1回以上検査を行う。
  2. 月1回(毎月検査)
  • 水道以外の水(井戸水、河川水等)を原水(一部又は全部)として使用している施設(自己水源施設)は、51項目(全項目)について実施する。
  • 検査の結果が良好である場合には検査の一部を省略することができます。1ヶ月に1回行う検査のうち検査を省略できない項目があります(下表参照)。なお、検査結果が良好であっても、自己水源施設は51項目検査、上水受水施設は21項目検査を1年に1回以上実施することになっています。



水質検査の項目と回数

頻度 検査回数軽減・検査省略の条件 項番 項目 備考
毎日検査   - 目視でも可
  - 濁り 目視でも可
  - 残留塩素  
毎月1回以上実施する項目   1 一般細菌  
  2 大腸菌  
連続的に計測及び記録がなされている場合は、検査回数をおおむね3ヶ月に1回以上にすることができる 38 塩化物イオン  
46 有機物(全有機炭素(TOC)の量)  
47 pH値  
48  
49 臭気  
50 色度  
51 濁度  
水源における藻類の発生状況を勘案し、検査を行う必要がないことが明らかである期間を除く。過去の検査結果が基準値の2分の1を超えたことがなく、原水並びに水源及びその周辺の状況を勘案して検査を省略できる。 42 ジェオスミン  
43  2-メチルイソボルネオール  
3ヶ月に1回以上実施する項目 26臭素酸については、過去の検査結果が基準値の2分の1を超えたことがなく、かつ、原水並びに水源及びその周辺の状況を勘案して検査を省略できる。 10 シアン化物イオン及び塩化シアン  
21 塩素酸  
22 クロロ酢酸  
23 クロロホルム  
24 ジクロロ酢酸  
25 ジブロモクロロメタン  
26 臭素酸 浄水処理にオゾンを用いる場合、及び消毒に次亜塩素酸を用いる場合は省略できない。
27 総トリハロメタン  
28 トリクロロ酢酸  
29 ブロモジクロロメタン  
30 ブロモホルム  
31 ホルムアルデヒド  
過去3年間の検査結果が、基準値の5分の1以下であるときは、検査回数を年1回以上、10分の1以下であるときは、検査回数を3年に1回以上とすることができる 9 亜硝酸態窒素  
11 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素  

 

頻度 検査回数軽減・検査省略の条件 項番 項目 備考
回数軽減 検査省略
3ヶ月に1回以上実施する項目 過去3年間の検査結果が、基準値の5分の1以下であるときは、検査回数を年1回以上、10分の1以下であるときは、検査回数を3年に1回以上にすることができる。 過去の検査結果が基準値の2分の1を超えたことがない 原水並びに水源及びその周辺の状況を勘案して検査を省略することができる。 3 カドミウム及びその化合物  
4 水銀及びその化合物  
5 セレン及びその化合物  
7 ヒ素及びその化合物  
12 フッ素及びその化合物  
13 ホウ素及びその化合物  
36 ナトリウム及びその化合物  
37 マンガン及びその化合物  
39 カルシウム・マグネシウム等(硬度)  
40 蒸発残留物  
41  陰イオン界面活性剤  
44 非イオン界面活性剤  
45 フェノール類  
原水、水源及びその周辺の状況並びに水道施設の技術的基準を定める省令第1条第14号の薬品等及び同条第17号の資機材等の使用状況を勘案して検査を省略することができる。 6 鉛及びその化合物  
8 六価クロム化合物  
32 亜鉛及びその化合物  
33 アルミニウム及びその化合物  
34 鉄及びその化合物  
35 銅及びその化合物  
原水、水源及びその周辺の状況(地下水を水源とする場合は、近傍の地域における地下水の状況を含む)を勘案して検査を省略することができる。 14 四塩化炭素  
15 1.4-ジオキサン  
16 シス-1,2-ジクロロエチレン及び
トランス-1,2-ジクロロエチレン
 
17 ジクロロメタン  
18 テトラクロロエチレン  
19 トリクロロエチレン  
20 ベンゼン  

水質検査の委託について

 

水道事業者等(水道水を供給している者である水道事業者、水道用水供給事業者、専用水道設置者)が水質検査を委託する場合は書面により直接契約を締結する必要があります。契約書には、以下の事項を明記することが必要です。

 

  1. 委託する検査の項目
  2. 定期検査の時期及び回数
  3. 委託に係る料金
  4. 試料の採取又は運搬を委託するときはその採取又は運搬の方法 (採取日程、採取地点、試料容器、採取方法、運搬主体及び運搬方法)
  5. 水質検査の結果の根拠となる書類(日時、検査員名、検量線、クロマトグラム、濃度計算書含む)
  6. 臨時検査の実施の有無

食品衛生法

食品製造用水又は飲食店の調理用の水等に井戸水などを用いる場合は26項目、貯水槽から供給される水を用いる場合は9項目の水質検査を実施し適合していることが必要です。これらの水質検査は年1回以上実施し成績書を保管しなくてはなりません。水道法の水道からの直結水の場合は検査の必要はありません。

 

食品衛生法26項目​

検査項目 基準値
1 一般細菌 100個/ml以下
2 大腸菌群 検出されないこと
3 カドミウム 0.01mg/l以下
4 水銀 0.0005mg/l以下
5 0.1mg/l以下
6 ヒ素 0.05mg/l以下
7 六価クロム 0.05mg/l以下
8 シアン 0.01mg/l以下
9 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10mg/l以下
10 フッ素 0.8mg/l以下
11 有機リン 0.1mg/l以下
12 亜鉛 1.0mg/l以下
13 0.3mg/l以下
14 1.0mg/l以下
15 マンガン 0.3mg/l以下
16 塩素イオン 200mg/l以下
17 カルシウム・マグネシウム等(硬度) 300mg/l以下
18 蒸発残留物 500mg/l以下
19 陰イオン界面活性剤 0.5mg/l以下
20 フェノール類 0.005mg/l以下
21 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 10mg/l以下
22 pH値 5.8以上8.6以下
23 異常でないこと
24 臭気 異常でないこと
25 色度 5度以下
26 濁度 2度以下

 

食品衛生法9項目

検査項目 基準値
1 一般細菌 100個/ml以下
2 大腸菌 検出されないこと
3 塩化物イオン 200mg/l以下
4 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3mg/l以下
5 pH値 5.8以上8.6以下
6 異常でないこと
7 臭気 異常でないこと
8 色度 5度以下
9 濁度 2度以下